
みなさん、農業に対するイメージというと「泥まみれで重労働」なんて思っていませんか?
今日では、機器の発展が著しくかなり負担が軽減されています。それでも大変な作業である事に変わりありません。
実際、朝早くから夕方遅くまで作業する日もありますし、重いものを持ったり同じ姿勢で作業していると腰が痛くなるというのは、よくある事です。 なっちゃんが米作りをしていて一番大変だと思うのは草刈りです。
なっちゃんが作っている田んぼの広さは3200㎡でサッカーコートの約半分。
「それだけ!?、少なッ」って思われるかもしれないですね。
実際少ないのですが、田舎の兼業農家、とりわけ山間部地域の農家さんだとこれくらいの広さを作ってらしゃる方が多いです。
それに、一般的な捉え方として畔部分も含めて我々は田んぼの広さをイメージしてます。3200㎡というのはお米を植え付けている部分のみになりますから、それだけ畔部分が多いという事になりますね。
調べていて、なっちゃん本人もイメージとの乖離が激しくてビックリしています。
「田舎の山間部地域」というのがキーワードになるのですが、これに対するのが平野部地域になります。
一般的には見渡しがよく、広がっている平野部の田園をイメージするかと思います。
テレビニュースの映像もそんなのが多いですしね。
平野部の田んぼは広く綺麗な長方形です。
対して山間部の田んぼは狭く歪な形で段々になっています。という事は平野部の田んぼは作業がやり易く山間部の田んぼは作業がやり難い。
ここで作業効率が決まってきます。形でいうと長方形であれば田植え、稲刈り、田耕、どの作業も角を4回周る事になりますが、歪であれば何度も周らないといけません。
段になっていれば高低差分は法面となり草刈り部分が増えます。
しかも斜面なので高低差があれば、あるほど面積が広がり、刈難くて滑りやすいので危険です。
一番の要因としては田んぼの枚数が多い事です。
田んぼ一枚毎に畔の囲みがある訳ですから枚数が多くなれば当然、刈る面積が増える事となります。
同じ植え付け面積でも枚数による差は、かなり大きいと思います。このように、どんな作業をするにも大きな効率の差が生れます。とりわけ、草刈りが大変なんです。なっちゃんの草刈りの作業量は年間約60時間。
なっちゃんは会社員なので基本的な休日は土日です。4月から9月の半年間、毎週末半日は必ず草刈りをするという事になります。
7月、8月は猛暑で本当に大変です。
午前中作業すれば午後はほとんど動けず、丸一日を棒に振る事も珍しくありません。
草刈りだけでこの作業量ですから、他にも水路等のインフラのメンテナンスもしないといけません。
ここで言いたい事は、山間地域の稲作が如何に大変であるかという事です。
なっちゃんの地域では、一つの解決策として「多面的中山間事業」という国や自治体から補助を交付していただける事業に取り組んでいます。 次回は「多面的中山間事業」とはなんぞや?をお話したいと思います。

